何作かある映像作品の中で、「ゴキゲン山映像」として作ってる山関係の作品は「Littlest Mountains」「Littlest Mountains 2」「Littlest Mountains 3」。それから今回の「Wonder Mountains」が4作目です。
いわゆる山映像って2通りあると思ってて。ひとつは誰かモデルさんがいて、登っていく様子を追いかけていくもの。もうひとつはひたすらキレイな風景を淡々と映し出すもの。自分の映像は基本的に前者で、山の麓からだんだん上がって行く様子を描いてます。だけど説明やナレーションは入れていません。入れると見てくれる人の感想を固定することになっちゃうから。
見る人はそれぞれ、山に対する考えもスタンスも違うだろうし。きっと同じ映像を見ても重ね合わせるものが違ってくる。その違いを楽しんで欲しいと思ってます。
たぶん自分は動きのあるものが好きなんだと思います。山をただ写しているだけなら写真でいいかなって思ってくる。映像作品ならではの面白さを出すためには、被写体かカメラのどちらかが動いていた方がおもしろいと思ってます。
あと、撮影上の技術的なことにはトライしていきたいです。たとえば今回は全体の4分の3くらいをRAWモードっていう色の階調が豊かになる形式で撮影してます。データはものすごく重くなるけど、フィルムで撮ったような深い色味を出したかったんです。
新しい撮影技術に関しては付録パートの「Wonder World」がその集大成。やりたかったことは全部あそこに集約しました。むしろそのぶん、本編の方はオーソドックスな作りになってるかも。遊んだ付録と本筋の本編、っていう感じ。
「Wonder Mountains」で収録してるのは白馬、八ヶ岳、屋久島、日光白根山、穂高連峰、下の廊下、上高地、立山連邦のエリア。たぶん形も景色も広がり具合も北海道の山とは全然違うんだろうけど、それぞれを北海道の人たちがどう捕らえてくれるのかすごく楽しみです。是非とも感想を聞かせてください。